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【第一話】絶望するにはまだ早い
 再び絶望の雨に打たれ、芽亜凛はもう無理だと涙する。そんな彼女に傘を差したのは百井凛だった。凛は渉と買い出しに出かけており、路上でうずくまる芽亜凛を偶然発見する。三人が邂逅したのは本当に偶然か、はたまた運命のいたずらか。芽亜凛は凛に支えられながら、もう一度立ち上がることを決意。最強の味方はすぐそばにいたのだった。

【第二話】教育実習生

 藤ヶ咲北高校に颯爽と現れたネコメ刑事に、芽亜凛は目を疑った。彼は教育実習生として藤北に潜入し、芽亜凛と直接顔を合わせることで捜査を開始する。一方、芽亜凛に告白を保留にされた響弥は、人気者の教育実習生の存在が気に入らぬ様子。さらに体育の事故を彼によって阻止され、響弥はネコメと芽亜凛の後をつけるが……。

【第三話】笠部淳一

 芽亜凛は四時限目の生物学のあと、生物学教師、笠部淳一の説得を試みる。笠部はネコメの恩師のうちの一人であり、彼が時を巡る者だと知っている。芽亜凛のチカラを見抜いた笠部は、己の過去にまつわる罪を告白。そして、笠部を操っていた人物の存在が明るみになると、ネコメの協力を得てついに警察が動き出し……。

【第四話】保持者

 ネコメが引き続き井畑芳則の調査を進める一方、芽亜凛はこの先の呪い人造りについて考えていた。次の予定は、朝霧と凛の接触およびデートの誘いを阻止すること。だが肝心の朝霧は渉に遊園地のチケットを二枚とも譲ってしまい、渉は凛を誘うべく千里と芽亜凛に助けを求める。そこで芽亜凛は、遊園地に謎のデジャヴを抱く望月渉が過去の『記憶保持者』であると知る。

【第五話】Shall we dance

 井畑逮捕に至った件で生活安全課に借りを返す長海とネコメ。ネコメは先日聞いた『茉結華』について共有し、井畑にもう一度聴取するべきだと提案する。同日の午前中、渉たちは遊園地にいた。千里と芽亜凛のサポートによって、デートは順調かと思いきや……。どこにいてもどの視点でも、今日という一日は最悪の結末を迎える。

【第六話】友達

 傷心中の渉は寝不足で登校し、誰にも言えない悩みを抱えたままいつメンとドッペルゲンガー探しに向かう。ドッペルゲンガーの正体は判明するものの、因縁の相手キザキと遭遇。怒りと傷で暗く濁りきった渉の心を癒やしてくれたのは、やはり響弥たちいつメンだった。傷と涙と友情。刹那的に生きる男子高校生たちの青春の一ページが描かれる。

【第七話】嘘つきの呼び出し

 深夜、渉は朝霧に嘘の呼び出しをされ、奇妙な関係を築くことになる。一方、凛と芽亜凛は千里を守るための警備を密かに強めていく。長海とネコメは捜査会議で自分たちの主張が通らず井畑の自殺が確定したことを悔やみ、茉結華の外堀を埋めるためになりふり構わぬ作戦を遂行する。あらゆる視点で様々な思惑が水面下で動き出した。

【第八話】生命の灯火

 ネコメの作戦は無事遂行され、トワを殺人容疑で逮捕することに成功する。しかし、なりふり構っていられないのは敵も同じだった。仲を深めていく千里と小坂に狙いを定め、ついに茉結華が牙を剥く。連絡の途絶えた千里を心配する凛と芽亜凛は、事前に仕掛けておいた発信機を頼ってホテルに向かう。

【第九話】幼馴染

 親友を救えて安堵する凛と芽亜凛は、次は渉が狙われる番だと警戒を強める。彼を守るには、凛との仲を戻すことが最善の策と考えた芽亜凛は、二人を東京タワーデートに向かわせる。彼女の手によって幸せな一日を過ごした渉と凛は、無事に幼馴染の仲を修復。一方、神永家に向かったネコメと長海は、互いの連絡が途絶えてしまって……。

【第十話】七月一日

 相棒が襲われたと判断した長海は、ネコメの救助に向かった。しらばっくれる響弥を緊急逮捕し、仲間に事情を説明するために証拠を見せるが、データはなぜか消されていて……。長海は未成年の暴行と盗撮さらに誤認逮捕をしたとして、謹慎処分を言い渡される。こうして、消えた相棒とデータを巡る、悪夢の七月がはじまった。

【第十一話】さしがね

 響弥の逮捕は学校中に広まり、芽亜凛はネコメが襲撃されたことを察する。小坂の入院先で朝霧修の妹・虹成と出会い、犯人とどう戦うべきか問う一方、渉と朝霧は朝霧家に向かっていた。ひょんなことから合流した四人は、朝霧の運営する掲示板を利用して、犯人を煽る作戦を決行する。予想だにしない絶望を生むとも知らずに。

【第十二話】幸福な人生

 長海は綾瀬刑事から『別の茉結華』について聞かされた。鍵を握っているのは風田の元妻・渕岡花である。謹慎期間を使って上司の身の回りを調査する長海は、思いもよらぬ悪友の存在を知っていく。その頃、神永家から神永詠策の遺体が発見され、警察は響弥の行方を追っていた。さらに長海は藤北の掲示板の奇妙な書きこみを知り、学校に向かうが……。

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